膝の痛みがでると加齢で軟骨がすりへっているから…。という言葉が反射的に出てくると思いますが・・・。
本当に軟骨がすり減って痛いのか?
これは膝の痛みに効くというサプリメントの広告による洗脳みたいなもので、一言に膝の痛みといっても、詳しく見ていくと軟骨ではない別の組織が痛みを感じている状態であることがとても多くあります。
膝の痛みを即、軟骨のすり減りのせいにしてしまうともっとひどくなったら、手術しかなすすべがなくなってしまします。
実際、膝の痛みで整形外科にいったら
「老化現象だから、もうよくなることはない」
「痛みと上手に付き合う方法を考えましょう」
と言われたという方にたくさん出会いました。はっきり言って、なんでこんなことを言うんだろうと思います。
痛くて不安で来ているのに、さらに落ち込むようなことをいって絶望させるなんて…。
検査法に偏りがあるのです。
確かに膝の痛みの原因を調べるときに膝関節の骨や軟骨の形しか見なければ、治ることはないという診断になります。
しかし、膝関節は軟骨だけでできているわけではありません。
膝の周囲は筋膜、関節包、側副靭帯などいろいろな組織でつつまれています。
そして、これらの組織には痛みを知覚する神経が豊富にあります。
膝の痛みを老化とあきらめないでください。
膝の周囲の組織が痛む原因は、特定の筋肉の緊張状態が骨盤のゆがみにつながり通常よりも負担がかかっていることを我々に知らせるためです。
つまり、発症初期の痛みは、「警告性の痛み」なのです。
膝の痛みがでても、その痛みは体全体のゆがみの反映なので膝の軟骨のせいにしていたら、正しく対処することが遅れて、将来、変形性関節症をわずらうことになりかねません。
膝の痛みを感じても、軟骨のすり減りだからしょうがないとか老化現象だからしょうがないと諦める必要は、まったくありません。
自分でできるセルフケア体操で、膝の痛みを楽にすることは十分に可能なのです。
さらに詳しく膝関節について
もうすこし詳しく膝関節のお勉強してみましょう。
すこし専門的になりますが、関節の構造を学びで自分の膝の痛みの状態を把握することができます。
それでは始めていきましょう。
関節の構造について学びましょう。
人間を含めて、大型の動物の関節はほとんどこのような関節構造になっています。
お互いに向き合う二つの骨の関節面はそれぞれ、凹面と凸面になっていることがほとんどで、ある部位の関節によっては間に半月板などの軟骨組織を挟むことでさらなる適合性を得られるような構造になっています。
その周りを関節包という文字通り関節を包んでいる靭帯組織の袋が存在します。関節包の内側は滑膜と呼ばれ、外側を線維膜といいます。
さらに外側には、側副靭帯という組織があり関節をより安定したものしています。
このような靭帯組織による安定性を静的支持機構と呼びます。これに対して、筋肉の収縮力により安定性を供給する機構を動的支持機構と呼びます。
人体のほとんどの関節はこのような構造で安定性を保つことができるようになっています。
緩みすぎでも痛い、こわばっても痛い。
膝の痛みを始め、肩の痛み、腰の痛みがあるときは、関節の安定性の異常が起こっていて関節が異常に緩くなっていたり、逆に不安定な関節を固定するための生体反応として周囲の組織の緊張状態が強くなっていたりするのです。
関節が緩くなっている状態は、動的支持機構である筋肉の萎縮による不安定性な状態と加えて、関節に対する継続的な負荷によって靭帯組織が引き伸ばされることにより、静的支持機構が弱くなっている状態です。
この状態のとき、関節が不安定で周囲の靭帯組織に許容範囲以上の負荷がかかりますので、膝の痛みの部位がいろいろ変化することが起こります。
靭帯は痛覚神経が豊富
靭帯には痛みを感じる神経が多く存在するのですが、痛覚神経が多くあるのは、関節のズレなどの異常な状態をいち早く「痛み」というサインで知らせる大切な機能のためです。
何となく時々膝が痛いという段階で、大きな炎症が起こっていない、関節に水が溜まっていない状態であれば何らかの原因で膝関節が緩くなっていることや関節のズレが考えられます。
こんな状態をほっておくとどうなる?
この段階を放置すると、繰り返される周囲の関節包や靭帯組織にかかる負荷により炎症が起こってきます。この炎症が、ひどくなると次第に痛みの部位が特定できないような膝全体が重くて痛い状態に陥ります。
ここまでくると膝関節周囲の筋肉などの組織が安定性を供給するために過剰に緊張することになります。
身体が安定化を図ろうとするわけです。
しかし、筋肉の緊張は筋の内部を通る血管を圧迫しますので、血行不良がおこります。
これが、膝の痛みが治りにくくなる要因の一つです。
血行不良自体は虚血性の痛みを生じさせますし、筋肉は血行が悪いと緩むことができなくなるので、いずれにしても負のループに入ります。
できる範囲でセルフケアしましょう。
この状態なる前に、セルフケア体操をおこない、自分で整体していくことが大切です。
もしそうなってしまっていても当サイトで紹介しているセルフケアをすべて、できる範囲で実施していただけば、必ず変化を感じることができると思いますので、ぜひ、お試しください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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